それは、18の夏のこと。
初めて、メイクをした大昔のこと。
洗顔に始まり、化粧水、乳液と一度にあれこれつけたものだから、若い肌はびっくりしたのかも。
疲れた肌が気になり、近所の薬局へ行った。
若い女主人は気さくでよく相談に乗ってくれていたし、勧められるままに一本の薬を買ったのです。
彼女は、薬のショーケース越に身を乗り出し、小声で言いました。
「この薬、つけると肌キレイになるよ、クリームみたいに使ってみて。」
何の疑いもなく使って数日後、顔が真っ赤になって、そこで初めて、薬の正体を知ったのでした。
知らないよりは、知っていたほうがいい。
薬局で、勧められるまま、言われるまま、使って失敗したステロイド。
無知で失敗したこの一件は、これから関わるであろう出来事の判断の根っこになったのです。