ヴァイオリンは、よく官能的な楽器と言われるけれど。
わたしの中では、クラシック音楽の端正な美しさでもって聴かされてきたものだから、ちょっと官能という部分では、入るスイッチが違うのだった。
ある夜、夫のお付き合いで(お義理モード・・) イタリアンのお店に出向くことに。
その店の木製の扉のなんて重厚で大きいこと!
日本離れしている。
食後に演奏があると聞かされて。。
あら、そのスイッチ入らないヴァイオリンだヮ・・
ただ、ジャズという領域がわたしには未知数だ。
かくして、ワイン片手に演奏が始まったのだが。
一曲も終わらぬ内から、その自由闊達なjazzの旋律に魅入られ、めまいのような感覚を覚えてきた。
それは、ワインのせいでなく、誰だろう。。
幻のように立ちのぼってくる姿?
あぁ もうこれって立派に官能の領域だ。
誰かって・・?
それは、韓流スターでも、どこの誰でもいいではないか。
音楽は熱い癒しと前に書いたけれど、内に眠るこういう感性を引っ張り出されるのも悪くない。
幾つになっても、感覚は大事にしたいんです。
そのお店のオーナー、実は長男が幼稚園の頃のママ友でもあった。
20年も前、ご主人が急逝、彼女のここまでの道のりには色んな苦労もあったと思う。
今、屈託のないおおらかな笑顔を見ると、乗り越えて来たであろう人の底力を感じるのだ。
そして、そこへ集う人々も、皆おなじ時間を共有し、心から楽しめる大人の余裕を持ち得た人なのだ。
そのヴァイオリン奏者 寺井尚子の素晴らしいのは間違いない。
しかし、あの場には、確かに琥珀色の温かい柔らかさがあった。峠を幾つも乗り越えて来た人だけが知る人生の隠し味のようなもの。そんな言ってみれば、Jazzy な人々のオーラが充満し、官能とも云える特別な夜へと誘ってくれたに違いない。
もし、あなたの心の真ん中に、マイナス負の感情が陣取っていたら、すぐに遠く隅っこのほうに引っ越しさせよう。
なくすのが難しいのはわかる。
心の真ん中にドーンと置くべきは、やはり幸福感や夢や希望に繋がるプラス正の要素であって欲しいのだ。
物減らしの断捨離の本が相変わらず売られているけれど、本来の目的の内なる精神の断捨離に早く取りかかろう。
それは、誰でもない、自分にしか出来ない作業です。
そして、その向こうに、自由闊達なJazzy なあなたが待っているとしたら?
あの店の重たい大きな扉をグイと押し開き、入って本当に良かった。
出会いは、Jazzばかりでなく、新たな人とのご縁も頂きました。
又、ひとつ。
喜びという石を、心の真ん中に置いてみよう。